起業するために最低限必要な3つのこと

kigyou

将来、会社を辞めて独立したいけど、「どうやったら起業できるのか?起業する方法が知りたい」と悩んでいる人は多い。

自分が起業した時のことを振り返ってみると、起業するには最低限、「種銭(たねせん)」「アイデア」「熱意」が必要だった。

特に会社を作り立ての時なんかは、経営資源(ヒト・モノ・カネ)がほとんどなく、信用も実績もない。まさに、ないものづくし。

それでも経費はかかり、税金もやってくるので、いち早く事業を軌道に乗せて収入を得なければ、お金が尽きて倒産してしまう。

そうならないためにも、起業する前に「種銭」「アイデア」「熱意」の3つをしっかり準備しておく必要がある。

1.種銭

種銭は、会社や事業を大きくしていくための、元となるお金のことだ。資本金とも言う。

例えば、最初に300万円を種銭として用意し、これをうまく増やしていく。100万円でベンツを買って、誰かに300万円で売り、200万円の儲けを出すといったイメージだ。

一方で種銭は、自分自身に払う給料や事務所の家賃、水道光熱費でジワジワ減っていく。お金が尽きないように、種銭をうまく采配しなければならない。

種銭を得るには、大きく「貯める」と「借りる」方法がある。

毎月、ちょっとずつ貯金をして種銭にすれば、起業が失敗した時のリスクが少ない。元手がなくなるだけだからだ。ただし、貯めるのには時間が掛かるため、ビジネスチャンスを逃すリスクがある。

銀行からお金を借りて種銭にすれば、すぐにビジネスが始められる。ただし、失敗した時は借金だけが残ってしまうし、失敗しなくても毎月の金利がかかる。

種銭は多いに越したことないが、最低でもアイデアを実現するための金額と、会社を3~6ヶ月ほど維持できる金額の合計は欲しい。

2.アイデア

起業するなら、何かしらのアイデアがないといけない。アイデアを考える方法として、コトラーは次のように述べている。

コトラー「世界は機会に満ちあふれている。まずは問題を見つけることだ」

つまり、起業のアイデアは「人々が困っていること、問題を解決すること」から始めるのが良いというわけだ。

コトラーの言うように、問題はあちこちに転がっている。それと同時に、問題は解決法とセットになっていることが多い。

既存の問題の解決法より、より良い解決法が提供できれば価値となる。

例えば、髪が伸びるから整えたいとして、美容室があった。それまでの美容室は、カット・シャンプー・カラーをセットにして、1時間の施術で1万円かかるのが常識だった。

そこからシャンプーとカラーをのぞき、10分1,000円カットのアイデアで勝負したのが、QBハウスだ。

QBハウスは、時間とお金を節約するという価値を提供しており、美容を重視していないのにも関わらず、割高なサービスを受けて困っている人々の問題を解決した。

このように、まったく新しいアイデアである必要はなく、切り口を変えただけのアイデアでも良い。

またアイデアは、自分が関わっていた業界や自身の体験から生まれることが多い。

例えばコモディティー化していた温泉業界に新しい価値を持ち込んだ星野リゾートの代表は、実家が温泉宿だった。

温泉業界に関わりがあったからこそ、そしてそこに外部の視点があったからこそ、改革のアイデアが生まれたのだ。

思いついたアイデアを検証するためには、CFT分析とVRIO分析のフレームワークを使う。

CFT分析は次の通り。これらを答えが、事業ドメインになる。

Customer(顧客) … どんな顧客に提供するのか?(誰に)
Function(機能) … どんな機能・価値を提供するのか?(何を)
Technology(技術) … どんな技術によって提供するのか?(どうやって)

VRIO分析は次の通り。起業したての頃は組織が小さいので、最後のOを分析する必要はない。

Value(経済価値) … 価値はあるか?
Rarity(希少性) … 希少か?
Inimitability(模倣困難性) … 模倣困難か?
Organization(組織) … 組織は適切か?

CFT分析で自分たちの方針をハッキリさせる。VRI(O)分析で自社の商品やサービスの強度を調べる。

3.熱意

起業すると、いろんな困難にぶつかる。そうした壁を乗り越える力を与えてくれるのが、熱意だ。熱意がないと、事業に飽きてしまい、続かなくなる。

熱意は、「世の中の役に立つことをしよう」「困っている人を助けよう」といった、利他的な心から湧き上がってくる。

一方で、「お金を儲けたい」「楽したい」といった利己的な気持ちでは、一時的な盛り上がりはあっても、長いスパンで見れば自然に淘汰されていく。

また熱意は、行動することでしか伝わらない。

どんなに素晴らしいアイデアを思いついても、どんなに熱意を持っていたとしても、行動しなければ何も変わらないのだ。

だから、まずはどんどんアイデアを出そう。そして片っ端から検証しよう。いくつもの検証されたアイデアから、「これだ!」と思うものに絞ろう。

決めたアイデアを実現するために種銭を用意しよう。種銭ができたら計画的に使おう。投資した分がペイすれば、事業がまわり出し、起業が始まる。

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