夢は必ずしも人生を満たしてくれるものではない

nhk_mare

NHKの朝ドラ「まれ」が面白い。話のテンポが早いのがいいし、自分が能登出身だからか余計に面白い。とと楽(働かない男)とか、すごくよく分かる。あと能登が保守的で排他的に描かれてるのもいい。

自分の過去を振り返れば、まれのように夢ややりたいことはなかった。代わりに一子のように東京(正確には石川県以外)に対する憧れがあった。それは漠然とした、何かそこに行けば人生が変わるんじゃないかという期待感だった。

結果、高校を卒業して18歳で家を出て一人暮らしをし、就職で上京するもそこは東京ではなく横浜で、地元に帰ることなく関東で働き続けるのだった。

まれにはパティシエになる夢があるけど、夢は必ずしも人生を満たしてくれるものではないと思う。大体、夢なんてものは自分にとって都合のいい事しか想定していないので、いざ夢が叶った時に現実とのギャップに戸惑うことがある。

例えば「地元が好きだから公務員になって地域の人を笑顔にしたい」と思って公務員になったとしても、配属先が納税課で税金の取立てが仕事になるといった具合である。これでは嫌われることはあっても、笑顔で迎えてくれることはない。

つまり夢ややりたい事とは、社会のニーズを無視した利己的な欲望であることが多いからギャップが生じるのだ。

逆に本当はやりたい事ではなかったけれど、社会のニーズがあって、それが人の役に立っていてとても充実感があるとすれば、それは利己的な夢を叶えるよりもずっと素晴らしい生き方だと個人的には思う。

だから利他的な夢を持つようにしたい。

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