働かないでお金を稼ぐ方法なんてないし、あったとしても生きるのがツライ話

hatarakitakunai

先日、不労所得が欲しいという20代の若者に会った。不労所得とは働かないでお金を得ることだ。話を聞くと「本業以外に副収入が欲しい、自分が海外旅行している時でも安定した収入が欲しい」とのこと。

不労所得と言えば、駐車場やマンションなどの不動産所得、株やFXなどのキャピタルゲイン、アムウェイみたいなねずみ講、アフィリエイトみたいな広告収入などが思い浮かぶ。

自分も若い頃は不労所得のような、働かなくても勝手にお金が入ってくる仕組みを作りたいなーと思っていたし、実際それに近い状態にもなったことがある。でもそれと同時に、不労所得はあり得ないことも分かった。

不労所得が不可能な理由は次の2点が挙げられる。ひとつは必ず何らかの仕事が発生すること。もう一つは事業には寿命があることだ。

誰かと関わっている限り、必ず何らかの作業が必要になる。例えば不動産なら仲介業者とのやり取りが必要になるし、トラブルが発生すれば対処を求められる。株なども売り買いの指示が必要だし、ねずみ講は常に人を紹介し続けなければいけない。アフィリエイトも広告が切れれば貼り替える必要がある。

次に外部要因などで事業の寿命が尽きるケース。大震災などで不動産が壊滅すれば収入がなくなるし、違法認定されればネズミ講も終わる。アフィリエイトも広告主との契約が切られればダメになる。

自分のケースで言えば、ソフトウェアを作ってインターネットで販売していたので、24時間ポツポツと注文が入っていった。注文が入ればソフトが自動でダウンロードされる仕組みだったので、取引の手間が掛からなかった。昼まで寝てても勝手にお金が入ってくる状態。

それでも不具合が出れば対処しなければならなかったし、質問がくればメールを返す作業が発生していた。売上も常に一定ではなかったので、新しいソフトウェアも開発していたし、いつか売れなくなるのではないかという不安もあった。

それ以上にツラかったのは生き甲斐のなさだった。お金と時間はあっても、やりたいことがないのは本当に辛い。両親に寄生して生きているニートと同じ心境だったと思う。毎日が無駄に過ぎていく人生だった。

今は「世の中の困っている人たちを助ける」ことを理念に事業を起こしているので、仕事のやり甲斐もあるし誇らしくもある。だから言えるのだけど、不労所得は付加価値を生まない、社会の寄生虫のような惨めな生き方なのかも知れない。

と、こんな説教臭い話をしても分かってもらえた人はいなかった。

だから1度みんなラクしてお金を儲けて、仕事を辞めて虚しさを体験して欲しいとも思うし、幸福とは世の中を良くする仕事を通じた貢献感だと思うわけです。

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