社長なのにお金持ちじゃない理由
小さい会社ながらも「社長やってます」というと、お金持ちだと思われることが多い。
でも少なくとも自分の場合は決してそんなことはない。会社の業績が悪いわけではないし、むしろ良い方なのにだ。
お金持ちじゃない理由はいくつかある。
1.稼いだお金は会社のもの
例えば「年商1億円!」と聞けば、1億円すべてが使えると思うだろうけどそれは違う。稼いだ1億円は会社のものであって自由に使えないのだ。
いくら社長であっても、自分の会社から自分に給料を払っているという形になる。年に1回、給料の額を決めてしまったらその年はいくら稼いでも決めた額しかもらえない。
「それなら社長の給料は月100万円だ!」と決めてもいいけど、その場合は会社がどんなに厳しい状態でも毎月100万円を給料として払い続けなければならない。もちろん現金がなくなれば即倒産。
それに年商1億円であってもそこから仕入代金、販管費、家賃、人件費、税金などが差し引かれるので丸々残るわけではない。
2.日本は累進課税
給与以外に(ある範囲内であれば)ボーナスの額を自由に決めることが出来る。だから会社の業績が良ければボーナスを目一杯もらう形にできる。
ただし日本は累進課税なので、所得が高くなれば高くなる分だけ税金が高くなる。給与や賞与を高めれば税金が高くなるのだ。
3.そもそも贅沢にあまり興味がない
もう亡くなったけど、ウチのおじいちゃんは工場を作って機織りの事業をしていた。高度経済成長もあって、ひと財産築いたけど暮らしは質素だった。そこに美学を感じる。
社長だからブランドスーツに身を固めて、高級外車に乗って高い時計を付けるというのは、個人的にはダサイと思う。めちゃくちゃ稼いでいるのに質素なのがカッコいい。
だから人並みの暮らしができる程度まで給料を抑えているし、趣味の旅行とグルメと読書ができればそれ以上の贅沢はしない。興味もない。
4.稼いだお金を社会に還元していきたい
自分の給料を抑えると会社にお金が残る。そのお金を事業に再投資して良いサービス・良い商品として社会に還元していきたいと思う。
実はこの局面が面白くて今の仕事のやり甲斐、生き甲斐につながっている。
世間的に見ればお金持ち社長じゃないけれど、お金じゃ買えない生き甲斐の方が価値が高いのだ。
お金があっても生き甲斐のない人生は虚しい。