新入社員、その後。
新入社員はその後、期待通りに活躍してくれている。
4月は付きっ切りで仕事を教えていたが、日常業務のほとんどを一人で出来るようになったので、5月からは彼に任せている。
日常業務から解放されたぼくは、取引先との打ち合わせや新商品の開発に時間を使えるようになり、とても助かっている。
ここまでで実感したことをいくつか書いておこう。
失敗を織り込んでおく
仕事に慣れてきた頃が一番危ない。実際に商品の発送ミスが続けて起こった。
自動車の運転と同じで、仕事は慎重さを欠いた「だろう運転」ではなく、より慎重な「かもしれない運転」でなくてはならない。
社員1年目に求められるのは正確さ、2年目に求められるのはスピードなのである。(3年目は後輩を教育する力)
リカバリー能力が大切
近いうちに失敗することを予測していたので、今回の発送ミスを教育の良い機会だと捉えた。
例えば、一度も失敗したことがないA君と、たびたび失敗してきたB君がいた場合、仕事を任せたいのはB君だ。
なぜなら、B君は失敗から復旧するためのリカバリー能力があると思われるからだ。A君は失敗した経験がないので、いざ失敗したらパニックになるだろう。
だから新入社員のうちは、失敗しても自分なんかダメだと悲観する必要はない。
船長は最後に脱出する
世間では、社員に仕事を任せ、社長は楽をしているイメージだろう。実際にそうした社長もいる。
しかし会社を経営していくなかで、優先順位を決めるなら、社長が一番下だと思う。一番は顧客、二番は社員、最後に社長というわけである。
これは船が沈没する場面に似ている。最初に旅客を非難させ、次に海員、そして最後に船長が脱出するあれだ。
この方針で年末年始について考えてみる。まず会社を休みにするのは、顧客にとって損だから、休んではいけない。
社員を働かせて社長が休むのもダメ。優先順位が守られていないからだ。となれば、年末年始でも営業し、社員を休ませ、代わりに社長が働くしかない。
そう考えると、社長が持っているのは権力ではなく、責任なのだと実感した。