小さな会社の経営者向け「決算書の見方」
会社の経営者には、いくつかの資質や技能が必要だと思う。例えば、意思決定やビジョンを語ったり戦略を書いたり将来を見通すなど。
その中のひとつとして、決算書の見方を知っていることも必要だと思う。これがないと、会社にどれだけの収入があって、何にお金を使っているのか分からないし、財政状況も把握できないからだ。
とはいっても、簿記や会計を知らないと決算書はパッと見むずかしいと感じる。そこで小さな会社の経営者向けというか、経営初心者のための簡単な見方をメモしておく。
ちなみに決算書の中で、貸借対照表と損益計算書のみを扱います。この2つの説明は後述。
まず大前提として利益。これは単純に赤字か黒字を知ることで経営成績が分かる。言うまでもないけど、赤字はダメ、黒字が良い。次の式で求められる。
利益 = 収益 - 費用
次にその会社の3つの力を見ていきます。その力とは、下記の3つです。
- 安全性
- 収益性
- 成長性
安全性は会社がつぶれない力。自己資本比率と言い換えられる。資産の中で借金を除いた資本の割合を計算する。この数値は高いほど良い。
自己資本比率 = 資本 ÷ 資産
収益性は会社の儲ける力。総資本利益率と言い換えられる。資産に対してどれだけ利益をあげられたかを計算する。この数値も高いほど良い。
総資本利益率 = 利益 ÷ 資産
成長性は会社の伸びる力。売上高増加率と言い換えられる。去年の売上高から今年の売上高の伸び率を計算する。この数値も高いほど良い。
売上高増加率 =(今年の売上高 - 去年の売上高)÷ 去年の売上高
単純にこれらを計算すると、決算書から会社の状態がざっくり分かるはず。
最後に貸借対照表と損益計算書の説明。
貸借対照表は固定的(ストック)・長期的な属性を持つ。これから創業から現在までの会社全体の状態(財政状態)が分かる。
損益計算書は流動的(フロー)・短期的な属性を持つ。これから今期1年の会社活動の結果・成績(経営成績)が分かる。
最低限でも以上の見方は押さえておきたいところ。