企業の地域活動が売上につながってるケースに驚いた
企業のボランティア活動が売上を伸ばしている例を見て、衝撃を受けた。
大里綜合管理株式会社は本業と同じくらい、地域貢献に力を入れている不動産屋だ。本業が6割で地域活動が4割の社員がいる位で、ボランティアは駅前の掃除や絵画教室など多岐に渡る。
大里管理の主な収益源は土地管理代行業だ。年に2回ずつ草刈りと見回りをし、50坪あたり1万5千円で預かる。
大里管理は土地管理で得た利益を、会社維持と地域活動に使っている。地域活動を続けることで、地元から大きな信頼を得ているのだ。
地元で得た信頼は、土地管理という差別化しにくい仕事において、誰に土地を預けるかという問いに答える優位性となっている。他社が模倣できない強みである。
そのほか社会貢献活動は社員に誇りを持たせるだけでなく、地域自体の価値が高まることで、定住しやすくなるメリットも生み出している。
不動産や保険などのように商品がある程度固まっていて、人間性や企業姿勢などが決め手となる業種こそ、社会貢献が企業に売上をもたらすのかも知れない。
ひとつだけ気になるのは低賃金と長時間労働だ。
大里管理の社員は、本業に加えてボランティアをこなしているので、朝7時から夜10時まで働いている。長い時間を働いているのに、社長の「食べていければいいじゃないか」との考えから、給料はそれほど高くない。
社会貢献については素晴らしいと思うが、社員の幸せを考えると疑問に感じた。
従業員数:50人(グループ含む)
売上高:約4億4500万円
参考:カンブリア宮殿