売上目標を立てるのをやめた理由
今年から売上目標を立てるのをやめた。理由は、売上目標の達成が第一ではなく、顧客が第一だからだ。
売上目標を高くする理由
逆に高い売上目標を立てることで有名なのは、ユニクロの柳井氏や日本電産の永守氏だ。売上目標がないのは、気の抜けたビールのようだという。
なぜ売上目標を高く設定するのか。
去年よりも少し高い目標だと、今までの仕事のやり方を変えない。しかし非常識に高い売上目標を立てると、同じ仕事の仕方では達成できないため、やり方を変える必要が出てくる。
そうしてイノベーションを誘発したいとの考えから、売上目標を高くしているのだ。
東芝も、チャレンジと呼ばれる、通常の方法では達成不可能な売上目標があった。東芝はチャレンジを達成するため、会計を不正に操作した。
イノベーションを誘発したかったのに、いつしか売上目標は達成することが目的となり、不正会計につながってしまった。
そもそも売上は操作できない
そもそも、企業は売上をコントロールすることはできないのではないか。
商品を安くしてキャンペーンをしたり、あるいは値上げして売上を伸ばす方法もあるが、いずれも焼畑的だ。
お客さんの立場になって考えてみれば、「買わされる」ことを好まず、「自分が欲しいときに、欲しい分だけ、適切な値段で買いたい」と思うはずだ。
企業の売上目標達成のために、お客さんはお金を払っているのではないのだ。
売上を追わなかったセブン銀行
セブンイレブンの鈴木氏が銀行をはじめた時、売上を追わなかった。金融庁から「3年以内の黒字化」を課されていたのにも関わらずである。
鈴木氏は、売上ではなく、銀行ATMの利用者数に着目していた。利用者数が増えていれば、いずれは確実に黒字化すると思っていたからだ。
結果、セブン銀行は、他行ができなかった3年以内の黒字化を見事に達成した。
利用者の増加を追い続けたい
鈴木氏の例から、ウチの会社は売上目標の達成を目的とはせず、利用者の増加を追い続けることにした。
利用者増加のために企業ができることは、お客様をよく観察し、より価値の高い商品を作り続けていくことしかない。
ドラッカーも「多くの人は、企業の目的は利益を出すこと、と答えるが、これは間違いであるだけでない。的外れだ」と述べている。
つまり経営の目的が売上や利益となってはいけないというわけだ。