受け継がれる系譜

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回転寿司チェーンがファミレス化している。

くら寿司は和風だしのカルボナーラ、かっぱ寿司はビーフ100%ハンバーグとサイドメニューをどんどん充実させているのだ。

各社がラーメンやカレー、スイーツなどのメニューを増やす中、スシローはマグロやはまち、サーモンといった定番ネタを強化する道を選んだ。

特にマグロは、キハダマグロを廃止して体重40kg以上の濃厚で味が濃いメバチマグロに限定するなど徹底している。

そうした良質なネタを店舗で手切りし、分厚いネタで客を満足させるのだ。

一方で、1秒でも早く提供しようと注文レーンを独自に開発した。

注文レーンは枝分かれすることで専用レーンが混み合わない仕組みになっており、必要であれば寿司皿がショートカットして最短ルートを移動するように設計されている。

要するにスシローは、「うまい寿司を早く安く提供する」戦略をとっており、回転寿司の原点に立ち返っているとも言える。

その結果、コロナ禍で外食業界が苦境を強いられる中、スシローは回転寿司チェーン大手3社で唯一、売り上げを増やしているのだ。

原点回帰の戦略をとった社長の水留氏はJALの副社長時代、当時会長だった京セラ・稲盛和夫氏から経営術を叩き込まれている。

その稲盛氏に影響を与えたのが松下幸之助であり、松下幸之助の経営術である天地自然の理法(いい製品をつくって、それを適切な利益を取って販売し、集金を厳格にやる。そういうことをそのとおりやればいいわけである)がベースになっているように思う。

松下幸之助、稲盛和夫と続く系譜が、次の世代へ受け継がれている。

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